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【受託開発・SES】製造業のSCMシステム開発プロジェクトの5年間の挑戦と成功

当社は、受託開発として製造業のSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムの開発に従事し、5年間にわたる長期プロジェクトを成功裏に完了しました。本プロジェクトでは、製造業向けのSCMシステムの要件ヒアリングから設計、開発、テスト、移行、そして本番稼働までの全フェーズを担当し、クライアント様の業務を大幅に効率化しました。さらに、全社のSCMシステムのリプレイスプロジェクトにも携わり、パッケージSCMシステムを活用した新しいシステムの導入を実現しました。
プロジェクト概要
本プロジェクトは、製造業の複雑な業務を効率的に管理するためのSCMシステムの開発を目的としていました。受注、購買、生産指示など、それぞれの担当分野が個別に存在し、それぞれのプロセスを一元的に管理できるSCMシステムの構築が求められました。特に、生産管理や納期管理、仕入れ先の調整など、業務の複雑さを踏まえた設計が重要でした。
このプロジェクトの特長としては、以下のポイントが挙げられます。
プロジェクトチーム体制
プロジェクトの初期段階において、当社はクライアント様との密なコミュニケーションを最も重要視しました。まず、クライアント様の現状業務フローに関して徹底的な分析を行い、現行の業務プロセスにどのような問題点があるのか、どの部分が効率化されるべきかを洗い出しました。この分析に基づいて、クライアント様のニーズを的確に反映した要件定義書を作成しました。
要件定義書は、単なる仕様書としての役割を果たすだけでなく、クライアント様と当社との間での明確な合意形成のための重要なドキュメントでもありました。その後、この要件定義書を元に詳細な設計を行い、システム全体の構成やフローを決定しました。
開発とテストに関しては、アジャイル的なアプローチを採用しました。これにより、開発中に出てくる新たな要求や変更点に柔軟に対応できる体制を整え、プロジェクト進行中に問題が発生した場合にはすぐにフィードバックを受け、迅速に対応することができました。このような柔軟なアプローチにより、プロジェクトはスムーズに進行し、予定通りのスケジュールで進めることができました。
要件ヒアリングから本番稼働まで
プロジェクトが始まった段階では、最も重要な部分は要件定義でした。クライアント様との打ち合わせは非常に重要で、細かな部分にまで配慮してヒアリングを行いました。業務フローの詳細な分析を通じて、どの業務プロセスにおいて改善の余地があるのかを洗い出しました。この分析結果を基にして、クライアント様が抱える課題や実現したい目標を正確に把握し、それに基づいた要件定義書を作成しました。
要件定義書はシステム開発の基盤となるものであり、そこから設計が進められました。システムの設計段階では、ただ機能を実現するだけではなく、使いやすさや拡張性、今後の運用を見越した設計に注力しました。設計段階での合意形成により、開発の方向性が明確になり、開発・テスト段階に進みました。
開発はアジャイル手法で進め、定期的にクライアント様とレビューを行うことで、進捗を確認しつつ必要な調整を行いました。このアジャイルアプローチにより、迅速なフィードバックループが実現し、途中で発生する変更や問題に柔軟に対応することができました。最終的に、本番稼働に向けて、テストを繰り返し実施し、システムの品質を確保した上で、無事に本番環境へ移行することができました。
全社SCMシステムのリプレイス
従来使用していたSCM(サプライチェーンマネジメント)システムには多くの課題がありました。システムの老朽化やカスタマイズの難しさ、サポートが終了している部分が多く、運用効率が低下していました。このため、クライアント様の業務の最適化を実現するために、SCMシステムのリプレイスが決定されました。
新しいシステム導入に際しては、パッケージ型SCMシステムの選定を行いました。このパッケージシステムは、高度にカスタマイズ可能で、クライアント様の業務フローにぴったり合う形で柔軟に調整できる特徴があります。また、長期的に安定して運用できることが求められたため、将来的なスケーラビリティやメンテナンス性を重視した選定が行われました。
新システムの導入後は、業務フローの大幅な効率化が実現しました。システムの柔軟性が高いため、業務の変化に応じたカスタマイズや拡張が可能となり、将来的なビジネスニーズにも対応できる体制が整いました。また、パフォーマンスの向上により、従来のシステムでは発生していた遅延やエラーが大幅に改善され、全社的な業務効率の向上を実感することができました。
進行管理とコミュニケーションの重要性
本プロジェクトにおいて、最も重視したのは「コミュニケーション」です。社内外を問わず、常に情報共有を行い、チーム全体の認識を一致させることに力を入れました。
自社内の打ち合わせ
プロジェクトが進行する中で、当社のエンジニアチームは非常に密に連携を取りながら作業を進めました。毎朝、定例の打ち合わせを行い、その日のタスク、進捗状況、問題点などを全員で共有しました。この会議では、各メンバーが担当する領域における進捗を報告し、特に発生している課題について議論を行いました。進捗が順調な場合でも、次のステップに向けての調整やリスク管理を行うことで、プロジェクト全体の品質を常に高めることを目指しました。
また、会議ではタスクに関連する問題点だけでなく、チーム内での情報共有を積極的に行いました。例えば、開発中に発生した技術的な問題や課題については、他のメンバーと解決策を模索する場としても活用しました。特に、テストフェーズや開発フェーズの最中では、細かなバグ修正や設計変更に即座に対応できるように、エンジニア同士の連携を強化しました。これにより、技術的な問題が発生した際に迅速な対処が可能となり、プロジェクトの進行を円滑にしました。
さらに、これらの打ち合わせでは、個々の進捗だけでなく、プロジェクト全体の進行具合を見守り、もし問題が大きくなる前に早期に対処するための対応策を講じることができました。定期的なミーティングを通じて、チーム内での情報共有と協力体制が強化され、プロジェクトのスムーズな遂行が保証されました。
クライアントとの定例ミーティング
クライアント様との間で定期的な進捗確認ミーティングを毎朝実施し、双方の認識のズレをなくすように努めました。特に、このミーティングでは、現在の進捗状況、発生した課題、解決策について詳細に報告し合いました。クライアント様からのフィードバックを即座に反映し、課題が発生した際には、迅速に対応策を講じることができました。これにより、プロジェクト全体の納期遅延や品質不良を未然に防ぐことができ、クライアント様の期待を裏切ることなく、順調に進行しました。
さらに、進捗確認だけでなく、クライアント様とのディスカッションの場としても活用しました。例えば、システムに関する仕様変更が生じた際には、クライアント様の要望を正確に反映するために、設計段階での変更点や対応策について協議し、合意を得ることでスムーズな進行を実現しました。このように、定期的なミーティングはクライアント様と当社のコミュニケーションの強化に繋がり、信頼関係を深める重要な役割を果たしました。
また、こうした打ち合わせを定期的に行うことで、双方のプロジェクトに対する理解が深まり、問題が顕在化する前に早期に対応できる体制を構築しました。特に、プロジェクトの中盤以降は、クライアント様の要求が変化することもありますが、定例ミーティングでその都度対応し、プロジェクトが軌道を外れないように調整しました。これにより、納期通りに高品質な成果物を提供することができ、クライアント様からも高い評価をいただきました。
要件定義からテスト、品質管理
プロジェクトは、要件定義、設計、開発、テスト、移行と段階を踏んで進行しました。
要件定義と設計
プロジェクトの初期段階において、最も重要だったのはクライアント様の現行業務プロセスを正確に理解し、その上で業務の効率化を実現するための機能を洗い出すことでした。要件定義の段階では、クライアント様と密に連携し、業務フローの詳細なヒアリングを実施しました。業務に必要な機能やシステムがどのように連携すべきか、また現在の業務における課題や問題点をしっかりと把握し、それに基づいた要件を導き出しました。この段階での要件定義は、プロジェクトの成功を左右する非常に重要な作業であり、しっかりと時間をかけて行いました。
その後、要件定義を基にして、詳細設計に進みました。この段階では、業務の複雑性を反映させたシステムアーキテクチャの設計を行い、システム全体の構成を決定しました。特に、SCM(サプライチェーンマネジメント)の各プロセスがスムーズに連携できるように設計し、情報の流れが滞らないようなシステム構成を目指しました。例えば、受注から出荷、在庫管理、発注に至るまでの各工程を効率的に連携させ、データの一貫性とタイムリーな更新を保証しました。
設計段階では、クライアント様の要求に応じたカスタマイズを行いつつ、システム全体の拡張性や運用のしやすさも重要な要素として取り入れました。これにより、システムの導入後に業務の変化や拡大があった場合でも、柔軟に対応できる体制が整いました。また、将来の運用負荷を軽減するために、管理機能や監視機能を組み込むことにも注力し、長期的に安定した運用ができるよう配慮しました。このような設計によって、クライアント様が求める業務の効率化と、将来にわたる安定したシステム運用が実現できることを目指しました。
テストと品質管理
テストフェーズにおいて、最も重視したのは「品質」でした。システムの品質が最終的な成果物に直結するため、テストの段階で問題を未然に防ぐことは、後の工程で発生するリスクを最小限に抑えるために非常に重要でした。品質管理のプロセスは、各開発工程におけるチェックポイントを設定し、テストの精度を高めるための具体的な基準を設けて進めました。
テストの初期段階では、設計段階で設定した指摘件数やバグ件数を基にして、各工程ごとに詳細なチェックを行いました。これにより、設計から開発、テストに至るまでの全工程で、品質が一貫して保たれるようにしました。特に、開発後の単体テストにおいては、エラー件数が一定の基準を超えないように細心の注意を払い、テスト結果が基準に達しない場合には、前工程に戻り、問題を解決するために必要な改善策を講じました。
このようなフィードバックループにより、品質の管理が強化され、問題が大きくなる前に早期に発見し修正できる体制が整いました。特に、開発後の単体テストでは、コードの整合性や機能の正確さを厳密に確認し、すべてのテストケースを通過することを目指しました。また、テスト工程で発見された問題は、適切に分類し、優先順位をつけて対処することで、重大な問題を後の段階に持ち越さないようにしました。
テストの後期段階では、システム全体の統合テストを行い、各プロセスが連携する際の不具合を発見・修正しました。これにより、最終的に本番環境においても安定して動作するシステムを提供できるようになりました。また、テスト工程での進捗や品質に関する情報は、クライアント様にも定期的に報告し、双方で品質についての認識を共有しました。このような継続的なフィードバックと調整を行うことで、納期通りに高品質なシステムを提供できる環境が整いました。
最終的には、テストフェーズでの徹底的な品質管理により、大きな問題を未然に防ぐことができ、プロジェクト全体の信頼性を高めることができました。
データ移行とリハーサル
データ移行は本プロジェクトの中でも非常に重要な部分でした。旧システムから新システムへのデータ移行には膨大な量のデータが関わり、非常に複雑でした。そのため、リハーサルを6回実施し、移行の精度を確認しました。
データ移行リハーサル
データ移行はプロジェクトにおいて非常に重要な工程であり、特に大規模なシステム移行の場合、データの整合性を確保することは不可欠です。移行作業では、既存システムから新しいシステムへのデータの転送を行うため、データの正確性や整合性を保ちながら移行する必要があります。しかし、データの移行には予期しないエラーや不整合が発生する可能性があるため、十分な準備と慎重な対応が求められます。
そのため、私たちはデータ移行を本番環境に実施する前に、リハーサルを繰り返し行いました。このリハーサルでは、データの移行作業を実際にシミュレーションし、移行後のデータが正確に新しいシステムで読み込まれるかどうか、また、データに不整合がないかを厳密にチェックしました。リハーサルを通じて、システム間でのデータ形式の違いや、データのマッピングにおける誤りなど、潜在的な問題を早期に発見することができました。
リハーサルを繰り返し行うことにより、想定外のエラーが発生するリスクを低減することができました。例えば、データ転送の際に発生したエラーについては、エラーの原因を迅速に特定し、修正を加えることで、問題を早期に解決することができました。また、データ移行に伴う時間やリソースの問題についてもリハーサル中に検証し、効率的に移行作業を行うための最適な手順を確立しました。
加えて、データ移行においては、単にデータを新しいシステムに移すだけでなく、データが正確に更新されることを確認するために、移行後のデータ検証を徹底的に行いました。例えば、移行後に各データ項目が正しく移行されているか、データ間に不整合がないかをチェックするための手順を確立し、テストデータを使ってシステムの検証を行いました。このようにして、リハーサル段階で問題が発生した場合には、その都度対応策を講じ、問題を早期に解決しました。
また、リハーサルを行うことで、データ移行に関わるすべてのステークホルダーが移行プロセスに対する理解を深め、スムーズなコミュニケーションが可能となりました。これにより、本番稼働時に予期しない混乱が発生するリスクを最小限に抑えることができ、移行作業における信頼性が向上しました。
最終的に、リハーサルを徹底的に行うことで、本番稼働時には予期しない問題が発生するリスクを大幅に軽減することができ、システム移行が円滑に進行しました。データの整合性が確保されることで、新システムにおける業務が安定して開始され、移行後のトラブルも最小限に抑えることができました。
本番稼働と成功
システムの本番稼働は、週末に実施しました。これは、稼働後のサポートやトラブルシューティングを迅速に行うための配慮でした。無事に稼働が開始され、その後の安定運用が実現しました。クライアント様からは、システムの性能や使い勝手に関して高い評価をいただき、長期的な運用に向けてサポートを継続的に行っています。
振り返りと学び
本プロジェクトを通じて、多くの学びがありました。特に、チームとして一体感を持って進行することの重要性を実感しました。また、技術面では、柔軟なアーキテクチャ設計やテスト管理が成功のカギとなり、どの工程でも品質を意識して進めることが最も効果的だと感じました。
今後も、こうした経験を活かし、より一層の技術力向上とプロジェクト管理能力の向上を目指して取り組んでいきます。
本事例を通じて、製造業のSCMシステムにおける受託開発の成功事例として、システム構築における要点や管理方法をご紹介しました。今後、同様の課題に直面する企業にとって参考となる情報を提供できることを願っております。